どうもみなさんこんにちは。
IPA好きが止まらないにしやまるです。
「なんとなくわかった気でいるけど、実のところよくわかっていない」ことって結構ありますよね。
私も「わかった気になる」のがとても得意なので(いい意味で、ですよ…笑)、油断すると「実はよくわかっていない」ことが増えている…という状況に陥ってしまうこともしばしば。
ということで今回は、最近までわかった気になっていた「セッションIPA(セッションアイピーエー)」についてお勉強してみたいと思います。
ビールについていろいろ勉強していると本当に様々なビアスタイルに出会うわけですが、なかなか短い期間に把握しきるのって難しいんですよね。
「IPA」についてはきちんと語源まで理解していたので、セッション?セッションってなんだ?と思いつつも「まぁIPAから派生したやつだよね!」ぐらいの適当なまとめでしばらく過ごしておりました。
ですが「セッションIPAってやっぱウマいな〜」と思うたびに心の奥底で「実は詳しく理解できてないけどね!」という引っ掛かりを感じ、ようやく重い腰を上げて、詳しく調べてまとめてみることにしました。
「なんとなくわかってはいるけど…」という方も「全然知らん!」という方もせひご覧になってウンチクを蓄えていただければと思います^^
セッションIPAとは「セッション向け」の「IPA」
「セッションIPA」が「IPAから派生したやつ」という理解は間違っていません。
端的に言えば「セッション向け」の「IPA」ということになります。
「IPA」は「India Pale Ale(インディア・ペールエール)」の頭文字を取った略で、ホップの使用量を増やし強い苦味と香りを出しているのが特徴です。
「IPA」については以下の記事で特徴や語源について詳しく解説をしておりますのでぜひご覧ください。
では「セッション向け」の「セッション」とは何なのかについて見ていきましょう。
セッションIPAとIPAの特徴を比較
ビアスタイルについて調べたければまずはこちら、「Beer Style Guidelines 2019」を確認してみましょう。
こちらに「セッションIPA」の特徴が記載されていますので、IPAと比較してみます。
※ここでいう「IPA」とは「アメリカンスタイルIPA」を指します。
表からわかる通り、セッションIPAは「やや弱い、軽めのIPA」と言うことができます。
ではなぜ「軽めのIPA」というスタイルができたのかというと、それがまさに「セッション向け」たる所以なのです。
「セッション」とは「長く多く飲む飲み会」のこと
セッションIPAの「セッション」は、英語の「Session drinking」のことを指しています。
「Session drinking」は「”セッション”(ある一定の時間)の間、過度に酔っ払わずに大量のビールを飲む」という欧米の飲み会(文化)のことで、長時間にわたり飲み続けられるようにアルコール度数の低い「セッションビール」が飲まれます。
この「セッションビール」というカテゴリーは「エール」とか「ラガー」といったビアスタイルとは別の切り口での分類であり、アメリカではアルコール度数5%未満のものが当てはまると言われています。
ここで先程の比較表に目を戻してみると、通常IPAはアルコール度数6-7%程度と高くセッションビールには当てはまりません。
IPAがおいしいからといって長く多く飲んでしまうと酔っ払ってしまうということですね。
そこで、セッションビールに当てはまるようにアルコール度数を低くし、それでいてIPAの特徴である強いホップ感と苦味を出したものが「セッションIPA」というスタイルとして登場したわけです。
「強いホップ感と苦味がありながら軽くて飲み続けられるもの!」という何とも欲張りな発想ですが、そんな呑んべえさんのアツい思いによって新たなビアスタイルが生まれたと思うとなかなかおもしろいものがありますね^^
(もちろん、IPAより軽いとは言え飲み過ぎにはご注意を!)
セッションIPAを飲んでみましょう!
セッションIPAについて学んだところで、お近くのスーパー、あるいは物産展などで買える(かもしれない)セッションIPAをご紹介しましょう。
「常陸野ネストビール セッションIPA」(木内酒造合資会社)
茨城県にある木内酒造さんが展開している、フクロウマークでおなじみ「常陸野ネストビール」ブランドの「セッションIPA」
柑橘系のフルーティで軽やかな香りがトップから広がり、爽やかな軽い飲み口、苦味は後味に少し残る程度という味わいです。
「ホップの香りは好きだけどIPAは苦味がきつくて…」という方には、ホップの香りを軽やかに楽しめる一杯としてオススメです^^
「毬花 -Marihana-」(株式会社協同商事/コエドブルワリー)
「COEDO」ブランドでおなじみ埼玉県の協同商事さんが製造している、鮮やかなグリーンのデザインが目を引く「毬花 -Marihana-」
レモンやグレープフルーツを思わせる華やかな香りがトップから広がります。ミドルからラストにかけてホップの程よい苦味が感じられ、そのなかにほのかな甘みを感じるのが特徴的ですね。
後味はとても爽やかでキレがあり、淀みがなくクリアでとても飲みやすいセッションIPAです^^
◇◇◇
さて今回は「わかった気になりがち」なセッションIPAについてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。
「セッション」という「長く多く飲む飲み会」というのが存在するところが欧米らしいですが、そのためのビールをジャンルとして作り出してしまうところも「ビール大好き!」って感じがしてステキですよね^^
日本では缶やビンで手軽に手に入るものはまだ多くないですが、華やかなホップ感がありながら軽いというのは日本人好みだと思いますので、スーパーやビアバーなどで見かけた際には「セッション」に思いを馳せながらぜひ飲んでみてくださいね^^
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