パンに関するニュースで気になったものをピックアップして不定期でお届けします。
パン関係であればノージャンル、ライトなものからヘビーなものまで。
「通販サイト「rebake」がロスパン7.5t削減を達成」
廃棄パンをなくす通販サイト「rebake」が、リリースから8ヶ月で廃棄パン7.5tの削減を達成したとの記事。
「rebake」のことは恥ずかしながらこの記事を読んで初めて知ったのですが、フードロスという食品関連業界全体の課題を特定の分野に絞り込んでビジネスにしているところが非常におもしろいなと感じました。
私が10年程前にコンビニでバイトしていた頃には既にフードロスは目に余る状況だったと思いますが、現場レベルでは削減への気運はそれ程高くありませんでした。
コンビニでの話にはなりますが、「機会ロスよりは廃棄」の考えが強くあって、足りなくなるよりは余るぐらいに発注する方が顧客利便性、ひいては売上に繋がる、という思想の基で経営がなされていましたし、その方向性自体は完全に否定されるものではないと思います。
しかしながら時は移ろい、消費側も供給側も「環境」や「持続可能性」への意識が高まっている昨今、「利便性」や「売上」の追求には「環境へ配慮しながら…」とか「持続可能な方法で…」という枕詞が必須とも言える状況になっています。
そういった時代背景のなかで、このサービスは消費側からも供給側からも支持されて伸びているのでしょう。
日々の廃棄を減らしていくことは小さなパン屋さんそれぞれ単独では限界があるでしょうし、記事にあるようにロスを怖れて少量しか作らないのは供給側にも消費側にも幸せな状態ではありません。
パンを販売するプラットフォームとしてこの「rebake」が存在することで需給をマッチさせられる機会が増え、売上が上がりフードロスも削減できるとなればこれは素晴らしい仕組みであると言わざるを得ません。
こういった大きな課題をビジネスに繋げていくというやり方は今後ますます増えていくでしょうし求められてくるでしょうから、しっかりとアンテナを張って時流を捉えていきたいですね。
「4500年前のイースト菌でパンを作ることに成功」
Xboxの生みの親であるアメリカの物理学者シェーマス・ブラックリー氏が、4500年前のイースト菌でパン作りに成功したとの記事。
現代で食されている発酵型のパンは古代エジプトにルーツがあると言われており、それを全力で忠実に再現したということです。
なんというか、こういういい意味での謎の熱量っていいですよね。
遊びに本気になれるというか、どんなことでも好奇心を持ってトコトン研究してしまおうという精神は一流の研究者は皆持ち合わせているように思います。
そういう遊びの部分の本気が本業の研究に気づきを与えてくれたりしますし、私も研究者の端くれとして心に留めておきたいものです。
4500年前のイースト菌を古代エジプトの陶器から水で抽出するというアイデアはこのパンを作る構想からすれば突飛なものではありませんが、それでも陶器を傷つけること無くやり切る実行力には頭が下がります。
もちろんブラックリー氏が述べているように陶器から抽出されたイースト菌が本当に純粋に4500年前のイースト菌かはわかりませんが、それでも古代エジプトの陶器由来のイースト菌でしっかり発酵したパンが作られたことは、とてもロマンがありますね。
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