食品製造会社の立ち上げを目指すうえで、積極的に取り組まなければと思っているのが「味覚の開発」。
「食のプロ」としてやっていくには様々な味を舌で理解し、それを言葉で表現できるようにならなければなりません。
加えて、その知識や経験が「資格」として明示できると信用ももらいやすくなりますので、自分自身で消費してレビューするだけにとどまらず、「誰かに教えてもらう」「資格を取得する」ということも視野に入れて情報収集を行っておりました。
そんななか今回、「野菜ソムリエ」養成講座の説明会に参加させていただく機会をいただきましたので、
・野菜ソムリエってどんなもの?
・どうやって資格を取る?
・どういう風に資格を活用できる?
といったところを中心にまとめてみました。
私の場合は、広く「食」という括りで知識を身につけておくことが研究開発者としての幅を拡げるために重要だと思っており興味を抱いたわけですが、そういった仕事を抜きにしても野菜は「毎日食べるもの」ですので、そこを充実させられれば人生が豊かになりそうな気がするんですよね。
ということで「食」の資格に興味がある方、毎日の食生活をもっと充実させたい方はぜひご覧いただければと思います。
野菜ソムリエとは?
「野菜ソムリエ」は、「一般社団法人日本野菜ソムリエ協会」が認定する民間資格です。
野菜ソムリエを端的に表現すると「野菜・果物の知識を身につけ、その魅力や価値を社会に広めることができるスペシャリスト」とのことで、現在57000人以上の方が資格を取得されており、料理教室、セミナー講師、食育活動、コラム執筆、レシピ開発、青果販売等、様々なフィールドで活躍されているそうです。
また、日本野菜ソムリエ協会の理念は、
・農業を次世代に継承する
・日常的に食を楽しめる社会を創造する
ということで、野菜ソムリエ資格を取得して終わり、ではなく「野菜ソムリエが活躍して社会を変えていく」ことを目指して活動しているとのことです。
「資格」っていうと「取得して、肩書が付いて終わり」というものが多いのも事実ですが、こちらは「取得してからがスタート、いかに活躍するか」というところを重要視していると強調されておりましたので、後でも述べますがアフターサポートも含めて「使える資格」だなという印象でした。
野菜ソムリエ養成講座について
野菜ソムリエにはレベルに応じて「野菜ソムリエ/野菜ソムリエプロ/野菜ソムリエ上級プロ」の3つの種類があり、また資格取得に向けた養成講座は4種類のスタイルから選ぶことができます。
野菜ソムリエコース
最もベーシックな基礎コースがこちらの「野菜ソムリエ」コースです。
野菜・果物の基礎知識と伝え方のノウハウを身につけ、生活力の向上や職場でのスキルアップに繋げていくことを目指します。
カリキュラム:2時間×7科目
課題提出:あり
修了試験:マークシート方式、500点満点中350点以上で合格
合格率:約85%
受講料:148,000円(税込)
更新:なし
合格率は約85%と高く、カリキュラムの内容をしっかり勉強すれば合格できるとのことです。
野菜ソムリエプロコース
野菜ソムリエより一歩進んだ、専門性の高いコースがこちらの「野菜ソムリエプロ」コースです。
野菜・果物の専門的な知識を身につけ、青果物のスペシャリストとして社会に価値を伝えることができる人材を目指します。
カリキュラム:2時間×18科目(野菜ソムリエコースの7科目を含む)
課題提出:あり
修了試験:一次試験(筆記試験)
→二次試験(プレゼン+面接)
合格率:約35%
受講料:320,500円(税込)
更新:あり
合格率は約35%と低く、かなりの勉強と準備が必要とのことです。
また野菜ソムリエとは異なり野菜ソムリエプロには資格の更新制度があり、年会費(6000円)が必要な野菜ソムリエメンバーズに登録し継続的な自己研鑽が求められます。
これも「プロ」たる所以ですね。
野菜ソムリエ上級プロコース
こちらは野菜ソムリエプロ資格を取得した後、さらに一定の受講条件を満たした方のみが受講できるスペシャルなコースです。
いきなりここには飛び込めませんので今回は割愛します。
受講スタイル
通学制
全国の協会指定会場で全科目を受講します。
講師やクラスメートと対話しながら理解を深めることもできるので、一番人気のある受講スタイルだそうです。
講座日程は土日のみや平日のみで組まれており、特に野菜ソムリエコースは年間の開講回数も多いので自身の都合に合わせて受講することが可能です。
また、事前申請すれば各科目ごとに別日程に振り替えることもできるそうなので、申し込んだ後に予定が入ってしまった場合でも漏れなくカリキュラムを受けることができます。
通信制
全科目をテキストと通信教材(解説本)で学習し、試験のみ全国の協会指定会場で受験します。
場所や時間的に通学するのが難しいという方でも受講が可能で、自身のペースで繰り返し学習できるというメリットもあります。
半通学制
通学制と通信制の良いとこ取りのスタイルです。
座学は通信教材で自宅学習、食べ比べなどの体験科目は全国の協会指定会場で受講できます。
通信制(地域校ワーク付き)
全科目通信教材で自宅学習し、地域校(全国各地)で食べ比べ体験とベジフルカルテ作成レクチャーなどのワークと修了試験が受けられます。
地域校は協会指定会場よりも全国に多くありますので、協会指定会場が近くにないという方でもこちらのスタイルで受講できる可能性があります。
「野菜ソムリエ」か「野菜ソムリエプロ」か、どちらを選ぶ?
上で紹介したように、野菜ソムリエ養成講座を受ける際には「野菜ソムリエ」と「野菜ソムリエプロ」のどちらかを選ぶことになります。
どちらにするか?と迷った際には、まずは基礎コースである「野菜ソムリエ」から始めるのが良いとのことです。
まずは「野菜ソムリエ」を受講してみて、そこからさらに深く勉強したい、仕事にしていきたいという思いが強くなったら「野菜ソムリエプロ」を受講するのがオススメだそうです。
野菜ソムリエコース修了後に野菜ソムリエプロコースに進学することができる「進学制度」というものも設けられており(受講料は差額ピッタリの172,500円(税込)です)、そういった制度の面からもまずは基礎コースで「野菜ソムリエの世界」に触れてみるのがいいとのこと。
私も受講するなら「野菜ソムリエ」コースかなと思っているのですが、ネックになるのが受講料148,000円。
これは決して安くない金額ですよね。
とは言え私の場合、仕事面でも日常生活でも一生活用できる資格(スキル)でもありますので、それを考えれば自己投資として出せない額ではないかなと思っています。
野菜は毎日、一生食べ続けますからね。その野菜のことを一段上のレベルでよく知っているというのは誰にとってでもメリットになり得ますので、皆さんも自己投資として見合う金額かどうかを考えてみてください^^
講座内容をチラ見せ!バナナの食べ比べ
野菜ソムリエの全貌について理解できたところで、講座でも行われるバナナの食べ比べを説明会で体験させてくれましたのでその様子を少し紹介したいと思います。
もちろんただ漫然と食べ比べるだけではなく、外観、香り、食味、食感について感じたことを言葉に表現して紙に記載していきます。
この作業がけっこう難しくて、確かに違いは感じるけど言葉でどう表現すればいいのか?っていうところでペンが止まってしまうんですよね。。
講師の山崎さんも仰られていましたが、やはり「おいしい」の後にそれをどう具体的に表現していくかが難しく、その辺りは講座でもしっかりトレーニングを行っていくそうです。
食べ慣れたバナナでも味を表現するのが難しいということを実感するとともに、やはり「味を伝える」ということが食に関わる者として重要な要素だなと再認識しました。
食べ比べの他にも「バナナは新聞紙にくるんで冷蔵庫で保存」するのがいいとか、虫がつかないように青い状態で輸入するのが法律で決まっているとか(バナナについた虫が世界中に拡散して生態系を乱すのを防ぐため)、バナナに関するアレコレも教えていただき、笑いもありながら和やかな雰囲気で進めておられるのが印象的でした。
実際の講座ではもっと深く野菜や果物について学べるということで、とても好奇心がくすぐられましたね。
資格取得後も充実のアフターサポート
最初の方にも述べた通り、日本野菜ソムリエ協会は「野菜ソムリエが活躍して社会を変えていく」ことを目指して活動しているため、資格取得後のアフターサポートも非常に充実しています。
野菜ソムリエコミュニティ
修了生が中心となって活動している協会認定の有志団体で、全国50ヶ所にあります。
スキルアップのための勉強会や産地ツアーなどが各地域で企画されており、それらに参加することで先輩たちと交流できたり情報交換をすることもできます。
「野菜ソムリエになれたけどさぁどうしよう?」という時にまずはこのコミュニティで情報交換できたりスキルアップの場を提供してくれたりというのはたいへん心強いですね。
野菜ソムリエアワード
野菜ソムリエが一同に会し、価値ある活動をした野菜ソムリエを選出するコンペティションです。
意欲が高く自己をどんどん研鑽していきたい人にはこういう賞があるというのもひとつモチベーションになりますよね。
野菜ソムリエカンパニー
野菜ソムリエプロ以上になりますが、野菜ソムリエを職業として活躍したい方のためのプロダクション機能です。
仕事を依頼したい企業や団体とのマッチングを行ってくれますので、「野菜ソムリエ」として仕事を行っていきたい方には便利なシステムだと思います。
野菜ソムリエの活躍の場として、例えば協会の講座で講師をするなど身近なところからも提案をしてもらえるとのことで、「野菜ソムリエを仕事にしたいけどいきなり一人では…」という場合でも実践経験を積みながら成長していけるのは嬉しい限りですよね。
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さて今回は耳にしたことはあるけど実のところあまり知らない「野菜ソムリエ」についてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。
私も「野菜に詳しい人」ぐらいの印象しかありませんでしたが、今回説明会に参加せていただいて、活躍の場の広さや「野菜ソムリエ」という集団としてとても積極的に活動されているなというのがとても印象的でした。
資格っていうのはやっぱりそれを積極的に活用している人がいて初めて価値が出てくるものだと思うので、その点「野菜ソムリエ」からはアクティブなエネルギーをたくさん感じたのでとても素晴らしいなと^^
私自身まだ受講するかどうか悩んでいるところですが、もし受講した際にはその感想なんかを追記していきたいと思います!
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